『空白を満たしなさい』自分が亡くなったその理由とは?

『空白を満たしなさい』自分が亡くなったその理由とは?

2022年6月25日からNHKで放送中のドラマ『空白を満たしなさい』が話題になっています。

平野啓一郎さんの同名小説が原作のヒューマンサスペンスです。

3年前に会社の屋上から転落死した主人公・土屋徹生(柄本佑)がその死から復活をして、どうして大切な妻・土屋千佳(鈴木杏子)と子供・土屋璃久(斉藤拓弥)を残して自分は死なないといけなかったのかという答えを探すというストーリーです。

 

設定としては、これまでにないジャンルになっていて斬新です。

単なるサスペンスではなく、その事件は自分が中心になっているのです。

確かに自分が土屋徹生の立場で、自分がどうして亡くなったのか理由も知らないままこの世に別れを告げるのは納得ができません。

  • 屋上から飛び降りるように仕向けたのは誰?自分が足を滑らせただけなの?
  • 自分に何の恨みがあったの?
  • 自分がこの世を去った後、犯人は一体何をしたいの?

どうしても気になって、成仏できないでしょうね。

 

そして、同時に自分が亡くなってから3年も経っているので、

  • 家族は自分がいないことに慣れてしまっているかもしれない
  • 妻には新しいパートナーがいるかもしれない
  • 幼い子供は自分の死をどんな風に受け止めているのか

と、気になるけれど怖くて受け止めるのに覚悟がいる部分も出てくると思います。

 

亡くなった本人には知りたい部分、知りたいけど知るのが怖い部分がありますが、やはり家族・親族としてはどんな形でも復生してくれることは嬉しいです。

遺族は

  • もっと〇〇していればよかった
  • あの時、もっと耳を傾けていればよかった

後悔だらけです。

私は今回は妻・土屋千佳の視点でこの作品を視聴していますが、誰の視点で見るのか次第で、捉え方が随分と違ってくると思います。

 

まだドラマの途中ですが原作者によると

『人は孤独を抱えているけれど、それは一人で感じるものではなく他者と共有できるものということを教えてくれる。生きる希望を取り戻すストーリー』

だそうです。

センセーショナルなスタートだったので今後の展開が気になって仕方がありませんが、人生を俯瞰して見る機会になりそうです。